糖尿病網膜症は単純網膜症→増殖前網膜症→増殖網膜症と進行します。
糖尿病黄斑浮腫はどの時期にも合併することがあります。

単純網膜症

毛細血管がやぶれ始めます。
血管にこぶ（毛細血管瘤）ができたり、出血（点状出血）がおこります。また、やぶれた血管から、血液や血液中の成分がもれだします。

増殖前網膜症

血管の障害が繰り返されることで血管壁が厚くなり、血管が狭くなったり、つまったりして、血液が網膜に十分に流れなくなります（虚血状態）。

増殖網膜症

虚血状態になると網膜では新しい血管が作られます。新しい血管はもろく、壊れやすいので出血することがあります。
また、硝子体に膜ができ、その膜が収縮して硝子体と網膜を癒着させ網膜を引っ張る為、網膜剥離を引き起こす場合もあります。

糖尿病黄斑浮腫が起こると、網膜がむくみ、出血が起きることもあります。
そのため、かすんで見えたり、見えないところが出来たり、ゆがみが生じたりします。

糖尿病網膜症、黄斑浮腫は糖尿病によって発症する目の病気です。
糖尿病は全身疾患であり、かつ一生涯治療を続けなければいけない病気です。単純網膜症の治療では、糖尿病の全身管理を第一とします。
この段階であれば血糖コントロールを行うことで、網膜症の改善が見られる場合もあります。

糖尿病網膜症の治療法

レーザー光凝固術

レーザー用コンタクトレンズを目の上に乗せ、網膜にレーザー光線を当てます。
治療時間は片眼10分くらいで、日帰りでの治療が可能です。
糖尿病網膜症の場合、症例によっては広い範囲にレーザー治療を行う必要がありますが、一度に行うと炎症などを起こす危険性がありますので、数回にわけて治療を行う場合があります。
手術当日の検査、投薬等を含めたおおよその目安です。

老人医療 1割負担の方	片眼12,000～19,000円程度
2割負担の方	片眼23,000～27,000円程度
健康保険 3割負担の方	片眼34,000～55,000円程度

手術前後の診察・検査・薬代は保険適応で上記と別途必要となります

硝子体手術

糖尿病網膜症に対する硝子体手術の適応については、増殖網膜症、黄斑症の場合です。
また、網膜剥離や硝子体出血が起こっている場合に行われ、目の中の出血を止め、異常な組織を取り除いたり、剥がれた網膜を元に戻したりします。

糖尿病黄斑浮腫の治療法

抗VEGF薬治療（硝子体内注射）

糖尿病網膜症に伴う、糖尿病黄斑浮腫にはVEGFという物質が関与しています。そのため、VGEFの働きを抑えるお薬を目に注射します。

ステロイド薬治療

ステロイド薬には炎症を抑える作用があります。そのため、ステロイド薬を目に注射して、黄斑のむくみを抑えるようにしています。
ステロイド注射による治療は効果が不十分で再発する可能性もあります。

レーザー光凝固

①直接光凝固
血管にできたコブや血液成分が漏れ出している血管にレーザー光線をあて、焼き固めます。
②格子状凝固
むくみのあるところに、格子状にレーザー光線をあてむくみを改善します。

手術当日の検査、投薬等を含めたおおよその目安です。

老人医療 1割負担の方	片眼19,000円程度
2割負担の方	片眼27,000円程度
健康保険 3割負担の方	片眼55,000円程度

• 手術前後の診察・検査・薬代は保険適応で上記と別途必要となります
• 片眼10分くらいで終わる為、日帰りでの治療になります。
• 症例によっては数回に分けて治療を行う場合もあります。

硝子体手術